小さなレストラン

それは小さなイタリアン・レストランでした。

仲のよさそうなご夫婦お二人とパートさん1名で営業されていました。

開業されて、6ヶ月とのことでした。


ある方のご依頼で、お店を訪問することになりました。

某ドーム球場前の大通りから200m程はなれた立地です。

しかし、これが信じられないくらい静かなのです。

通行人も少なく、自転車が通りすぎるだけです。



私は、店の中に入り、さらに、驚きました。何とテーブルが3つしかないのです。

4人掛けのテーブルですから12席です。厨房も狭く一人しか入れません。

ご主人が、今の窮状を話しはじめられましたが、私は正直当惑していました。


飲食店に20年以上勤務し、店長もされていたご主人が、どうしてこんな物件を選んだのか。

このテーブル数では、月の売上高は150万、夫婦の人件費を計算しないで、利益30%として45万円、これがほぼ限界値でしょう。

「5000円以上のコース料理ですか?経験もありませんし、自信もありません」ご主人に言われてしまいました。
現在の客単価は1200円程度です。



それでも、限界に挑戦すべく、改善に取り組みました。

コース料理中心に大幅にメニューを絞り込みました。ワインは品揃えも提供方法も工夫しました。チラシも看板も見直しました。予約専用時間帯も設けました。厨房では、動作研究もやりましたし、縦の空間を生かす棚も設置しました。


後日、電話を入れますと、ご主人は、ちょっと不機嫌です「もうこれ以上、お客様が増えてほしくないです。コース料理を出すだけで、もう必死です!」


ご主人は、丁寧ですが、スピードを上げて調理・盛り付けするのが苦手ですし、厨房もやはり狭すぎました。

でも、売上は限界値の50%程度です。こんなしんどい戦いになるのです。初めから負ける可能性の方がはるかに高いのです。


「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。」某プロ野球監督の言葉が頭をよぎりました。


飲食店の物件では、おおよその客席数を把握してください。そして客席数×回転率×客単価で売上高を計算し、利益額を推計してください。
厨房の広さも必ずチェックして下さい。


つぎのように年間利益額を設定します。(個人事業の場合)

必要利益額

必要生活費 + 改装費÷5年(5年で改装) + 年間返済額(借入額÷10、10年返済の場合)

(例)500万円(生活費)+100万(改装費500万円÷5年)+240万円(返済額)=840万円(A)

目標利益額(2店目を7年後に出店のする予定)

(例)3000万円(出店投資額)×30%自己資本3割)÷ 7年 ≒130万円(B)

   (A)+(B)=970万円


必要(目標)利益がだせる広さの物件を選ぶ、重要なことなのです。


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