「今度は、いい物件だと思うので、もう決めてしまおうかと、思っているのですが」
少しあわてた口調で、こんな電話がかかってきます。
恋すれば、盲目ということでしょうか、それとも、自分を納得させるためでしょうか、立地の良い点ばかり、次々述べられます。
いつものことですが、こんなとき、まず落ち着いてもらうことが、私の仕事です。
「それでも、調査をする必要がありますよ」と申し上げると、電話の向こうでは、すこし不満そうです。
「"良い物件なので、早く決めなければ、他の人が先に契約するかも知れません"、"2~3日の内には手付けだけは打っていただいた方が、よろしいですよ"と不動産屋さんも言っているのですが」
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「それは、不動産屋さんの常套句で、"こんにちは","よろしく"といっている程度の意味ですよ。いわば、不動産屋さんの挨拶ですよ。」
こんなこと、話していると、徐々に落ち着いてこられます。
「できるだけ、早く現地を視察しますので、もうしばらく待ってください。あせりは厳禁ですよ!」
立地選定には、細心の注意を要します。良い物件は、思った程多くありません。しかも資金が限られているとなればなおさらです。
私も、2年近くかかったケースもありました。(どちらかといえば、私、楽観的な人間なのですが)
一週間後、調査も終えて、マーケティング・マップ(商圏地図)、人口などのデータ、現場の写真をもって説明に参上します。
(もちろん、まだ、だれも先に契約などしていません)
こうなると、ようやく落ち着いてじっくり検討することができます。
しつこいくらい何度もいいます!立地は本当に重要です。
立地選定のミスは戦略ミスであり、日々の戦う術である戦術では、取り返せない。
これは、忘れないでください。
不動産屋出身の経営者は、成功するケースが多いとも言われます。
良い立地を経験的に知っているからです。
不動産屋さん諸氏のご挨拶に、こころを乱されないように、くれぐれもご注意下さい。